2014年09月09日

災害義援金 (倉田)

私が住んでいる地区の町内会は、4組くらいに分かれていて、各組に組長がいます。私の家も何年に1回か組長の順番が回ってきます。今年は私の家内が組長をしています。といっても、あまりすることはなく、回覧板を頼まれたら回すくらいです。

先日、地区の社会福祉協議会から、「広島県大雨災害義援金袋」を回すよう依頼されました。お金を入れる封筒がついており、それぞれの家が自主的に義援金を袋に入れて次の家に回すという仕組みになっていました。義援金の目安はいくらとも書いてありませんでした。果たして義援金を入れる人がいるかどうか、また、金額はいくらが妥当なのかも分からないまま回覧板を回しました。

すると、一日経って回覧板が一巡して返ってきました。興味津々、封筒をのぞいてみると、どの家も千円札を一枚ずつ封筒に入れていました。おそらく、最初の家が千円を入れ、その後の家もそれにならったのだと思います。

私は町内会の人たちの温かい気持ちがそれぞれの千円札に込められているのを感じました。こんな回覧を回されて迷惑に思った人もいたでしょうが、普段はあまり付き合いのない町内会の人たちでも、まだ最小限の義理と人情でつながっていると感激しました。

posted by kuraben at 13:23| 倉田弁護士

2014年09月03日

夏の終わり (倉田)

今年も夏が終わりました。夏は暑いのが普通なので、毎年、夏はゴルフの予定を入れません。ところが、今年は炎天の日がほとんどなく、比較的涼しい夏でした。ゴルフの予定を組めばよかったのにと、少し後悔しています。

この夏は、香港に住んでいる娘が2人の孫を連れて帰り、2週間余り滞在したので、とても騒々しかったです。何事も子供優先なので、自分の生活のペースがすっかり狂ってしまいました。
「孫は来て良し、帰って良し」です。今は平穏な生活を取り戻しました。

posted by kuraben at 09:39| 倉田弁護士

2014年08月01日

父子のDNA鑑定と最高裁判決 (倉田)

民法772条は「婚姻中の妻が妊娠した子は夫の子と推定する」と定めています(嫡出推定)。しかし、妻が他の男性との間に子を作り、DNA鑑定の結果、生まれた子は他の男性の子であって夫の子ではないと判定された場合、子は法律上、誰の子と認定するのが正しいのでしょうか。

この問題について、7月17日、最高裁は「民法772条の嫡出推定の規定がある以上、生まれた子は戸籍上の夫婦の子となる」という趣旨の判決を出しました。つまり、DNA鑑定によって別の男性の子であると判明したとしても、戸籍上は夫の子となるということです。
しかし、この判決はどこかおかしいとは思いませんか。私はこの判決は間違っていると思います。

生物学的に父子関係にあることがDNA鑑定で証明されたのであれば、「嫡出推定」は覆るのだから戸籍上の父子関係の推定は無効となるのが当然です。

過去の最高裁判例でも、妊娠時に夫婦が離婚状態だったり、夫婦が遠隔地(刑務所など)に住んでいたりして夫婦間に接触の機会がなかったことが明らかな場合には、嫡出推定は適用されないとしたケースがあります。それなのに、今回はなぜこのような判決を出したのでしょうか。私には理解できません。

ところで、今回のようなおかしな判決が出た以上、今後は国会で「嫡出推定」の民法772条の規定を見直す必要があります。この条文は、DNAの鑑定技術が発達していなかった時代に作られたものですから、現代の技術にマッチしたものに改正する必要があると思います。

posted by kuraben at 09:54| 倉田弁護士

2014年07月22日

可視化が一歩前進 (倉田)

法務省の法制審議会は、捜査機関に取調べの録音・録画を一部義務づける制度を導入することを決めました。日弁連は、長年、取調べの可視化の必要性を主張してきました。しかし、警察・検察庁の反対でなかなか実現しませんでした。

日本では、これまで自白を引き出す取調べが主流でした。しかし、密室で行われる取調べでは、取調べ官の威迫や誘導によって、容疑者が虚偽の自白をする危険性がありました。これを防止するため、取調べを録音・録画することは世界の潮流となっていました。

今回、法制審議会が決定した可視化は、全ての事件が対象ではなく、裁判員裁判対象事件と検察庁の独自捜査事件に限定されており、容疑者が逮捕される全事件の2〜3%に過ぎませんが、それでも殺人、強盗などの重大事件については必ず録音・録画がされることになったので、一歩前進といったところです。

posted by kuraben at 10:20| 倉田弁護士

2014年07月14日

日本人のマナー (倉田)

世界中が注目したサッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会がドイツの勝利で終わりました。日本は残念ながら一次リーグで敗退しましたが、また4年後を目指して頑張ってもらいたいと思います。

ところで、今回のサッカー大会で「日本人は素晴らしい」と思ったことが一つあります。それは、日本人サポーターが日本の試合終了後、全員で観客席のゴミ拾いをしたことです。
日本人サポーターは全員が日本からビニール袋を持参し、試合終了後、黙々とゴミを拾ってビニール袋に入れて持ち帰ったのです。その様子が各国のマスコミで報道され、そのマナーの良さに世界中から賞賛の声が上がりました。

日本は試合ではよい結果が出せませんでしたが、マナーの良さでそれ以上のものを得たと思います。私は日本人を誇らしく思いました。

posted by kuraben at 09:50| 倉田弁護士

2014年07月11日

やっと実現、海砂採取禁止 (倉田)

環境省は、ようやく瀬戸内海の海砂採取を原則認めない方針を決めました。これまで何十年にもわたりコンクリートなどの建設資材用に採取されました。瀬戸内海全体の採取量は6億立方メートルといわれ、途方もない量の海砂が失われ、海底が深く傷つけられました。イカナゴなど砂地を好む海底生物が絶滅寸前になり、自然と漁業に大きな損害を与えました。

海砂を採取しないという国の判断は遅きに失しましたが、採取を禁止したことは大きな意義があります。自然界では、年間最大数ミリの厚さしか海砂の回復は見込めないとされ、海が元の姿を取り戻すには数千年かかるといわれています。今後は、人工的な海砂の埋戻し方法も積極的に研究し、早く元の海を取り返すようにしてもらいたいものです。

posted by kuraben at 15:54| 倉田弁護士

2014年06月23日

STAP細胞 (倉田)

先日の新聞をみると、STAP細胞論文の共著者である山梨大学の若山教授が記者会見し、「STAP細胞があることを示す証拠はない」との見方を示しました。多くの関係者が次々と小保方晴子氏に不利な発言をするので、同氏は益々苦しい立場に立たされています。

しかし、私はまだSTAP細胞はあるという望みを捨ててはいません。小保方氏が全くの嘘をでっち上げたとは、とても信じられないからです。ネイチャーという世界一の科学誌に発表するからには、それなりの研究成果があったはずです。確かに、論文の中でいくつかの不正や間違いがあったのは事実のようですが、それにしても全くのデタラメを発表するということがあるでしょうか。

デタラメな論文を書いて一流誌に発表すれば、嘘がバレることは必至です。そんな馬鹿なことをする人間がいるとは思えません。私は今でも近いうちにSTAP細胞の存在が証明されて、世界中があっと驚く日が来るものと信じています。

posted by kuraben at 17:24| 倉田弁護士

2014年06月05日

サツマイモ (倉田)

今年は早くも梅雨入りしました。この時期になるとゴルフの日に雨が降ったりするので、私は梅雨は大嫌いです。
しかし、サツマイモを植えるには、梅雨は好都合です。

サツマイモは店で売っているイモの苗を買ってきて畑に植えるのですが、カラ梅雨だと苗が枯れてしまい、根付きません。
幸いにも今週は雨や曇りが続いたので、イモ植えには絶好の天気でした。おかげで、イモ植えは成功し嬉しかったです。

posted by kuraben at 15:15| 倉田弁護士

2014年05月27日

学園祭 (倉田)

25日の日曜日は、この春私立中学に入学した孫娘の中・高等学校で学園祭があったので、家内と2人で見に行きました。

孫娘は恥ずかしいので来るなと言ったのですが、どんな学校か一度は見ておきたかったので、見つからないようにこっそり見てきました。中・高を合わせての行事なので、多くの家族が参加して大変混雑していました。

多くのクラブがあり、各教室や体育館で活発に活動報告をしていました。勉強も忙しいはずなのに、よくここまで準備したものだと感心しました。

posted by kuraben at 12:55| 倉田弁護士

2014年05月15日

危機的な人口減少問題 (倉田)

日本の人口は、現在、約1億2700万人です。しかし、人口は年々減少しており、このペースで減少すると、17年後の2030年には1億1700万人、47年後の2060年には8674万人、97年後の2110年には4286万人と推定されています。人口問題は危機的な状況にあるということができます。

人口が減少すると、国の経済成長、財政、年金等に大きな影響があることは、既に現時点でも明らかになっています。少子高齢化が進むと、福祉や年金は、到底持ちこたえることはできません。

人口が減少する一番の原因は、出生率の低下です。なぜこのように年々出生率は低下するのでしょうか。それは、子どもを産んでも育てられる環境にないからです。今どきの女性は結婚しても仕事を持って働くのが普通になりつつありますが、子どもを産んでも保育所が足りないので、働きながら子どもを育てることは難しいのが現実です。

それでは保育所を増やせばいいようなものですが、保育士の不足や保育士の給料の低さなどが原因で保育所は増えず、待機児童は一向に減りません。そうであれば、政府は保育所に経済的援助をして保育所の増加に力を入れるべきですが、議論するばかりで何ら解決策は出されていません。そういう議論をしている間にも出生率は年々低下し、人口はどんどん減っています。

欧米諸国でも一時同じような人口減少問題を抱えていましたが、今ではだいぶ改善され、人口は増加傾向にあると聞いています。日本も一日も早く人口増加に転じる手を打たなければ国力が減退するばかりで日本の未来はありません。危機感を持って緊急に対策を講じる必要があります。

一方では、もはや人口の減少は避けられないとして、外国の労働者の移民を促進して人口増加を図ろうとする動きもみられますが、私は外国人を受け入れることには絶対反対です。外国人労働者を多数受け入れてその弊害に悩んでいる国はたくさんあります。そういう安易な方法はやめて、出生率の増加という本来の方法で人口問題を解決すべきだと私は思っています。

posted by kuraben at 09:37| 倉田弁護士

2014年05月07日

取調べの可視化 (倉田)

最近、取調べの可視化の是非について、しばしば論じられています。可視化というのは、要するに、警察や検察庁が被疑者を取調べるときに録音・録画をするということです。可視化の実現は日弁連が長い間主張してきたことですが、未だ実現の見通しは立っていません。

しかし、イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、オランダ、オーストラリア、台湾、香港、韓国などでは既に導入されており、今や世界の潮流となっています。欧米諸国のみならず、台湾、香港、韓国などアジアの国でも可視化が実現していることは驚きです。日本は世界の潮流から取り残されている状況です。

日本では、法務省の法制審議会で審議されてはいるのですが、警察庁、検察庁が、逮捕直後からの取調べを全て録音・録画すれば被疑者が真実を述べなくなり自白に追込めなくなるなどと主張し、強く反対しています。この主張の裏には、時には外部には見せられないような強引な取調べもしないと、被疑者を自白に追込むことはできない、という意味が隠されています。

しかし、これは自白中心主義に基づく古い時代の考え方です。現代に求められている捜査手法は、自白はなくても証拠で犯罪を立証する証拠中心主義です。日本の捜査官は、時代錯誤の古い考え方を改めなければなりません。

日本では、これまで数々の冤罪が繰り返されましたが、そのすべてが密室における強引な取調べと自白の強要が原因だったことを忘れてはなりません。冤罪を防ぎ被疑者の人権を護るためには、取調べの全過程を可視化することが絶対に必要と思います。

posted by kuraben at 10:33| 倉田弁護士

2014年04月30日

親子の面会交流 (倉田)

両親が離婚(又は別居)した場合に、子どもと同居していない親が子どもと継続的に面会し交流することを「面会交流」と呼んでいます。子どもは父母のどちらにとっても大事ですから、父母のどちらかが子どもを独占して他方の親に会わせないということがあってはなりません。

ところが、現実には、離婚後、子どもを監護(養育)している側の親が、もう一方の親に子どもを面会させるのを拒否する事例が極めて多くみられます。困った問題です。このような場合は、通常は、子どもを監護していない側の親が家庭裁判所に対し面会交流を求めて調停申立を行います。

しかし、もともと夫婦仲が悪くて離婚したのですから両親の間には信頼関係がなく、子どもを取られるのではないかと心配するなど、面会交流の話し合いは難航します。

そこで、最近よく利用されているのが公益社団法人家庭問題情報センターという第三者機関です。英語の頭文字をとってFPIC(エフピック)と呼ばれています。本部は東京ですが、広島ファミリー相談室(支部)があります(電話082−246−7520)。

FPICに依頼すると、両親の間に立って面会交流の付添いや子どもの受け渡しの仲介をしてくれます。親同士が顔を会わせたくない場合は、そのように工夫することもしています。

面会交流は子どもの健全な育成にとって大事なことであり、アメリカやヨーロッパでは広く行われています。日本でももっと理解が深まり親子の面会交流が容易にできるようになることを願っています。

posted by kuraben at 16:44| 倉田弁護士

2014年04月04日

桜 (倉田)

私は牛田の自宅から上幟町の事務所まで歩いて通勤しています。
今週は、神田橋から白島にかけての川土手の桜並木が満開でした。
私は、行きも帰りも道路を歩かずに、川土手の満開の桜並木の下を歩いて通いました。
とても気分が爽快でした。

(写真をクリックすると拡大します)

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2014年03月28日

春の訪れ (倉田)

今年の冬は大変厳しい寒さでしたが、ようやく暖かい春が訪れました。
畑に植えてあるサヤエンドウが綺麗な花を咲かせました。毎年この花を見ると春の到来を実感し幸せな気持ちになります。
(写真をクリックすると拡大します)
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隣りに植えてあるタマネギも、春の訪れとともに日々大きくなっています。
(写真をクリックすると拡大します)。
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4月になると、畑に、ナス、キュウリ、トマトなどの野菜を植えようと思っています。週末の畑仕事も段々と忙しくなりそうです。

posted by kuraben at 13:59| 倉田弁護士

2014年03月18日

英語教育 (倉田)

英語は今や国際語となっています。しかし、日本の英語教育は世界の潮流から著しく遅れています。私の年代の者は、中学、高校、大学と10年も英語を勉強したのに、日常会話すらできないという有様です。

最近になってようやく日本の小学校でも英語を教えるという風向きになってきました。しかし、そもそも英語を流暢に話せる先生がいないので、カタカナ英語を教えたのでは何の役にも立ちません。金はかかっても、ネイティブスピーカーを導入することが重要です。

お隣りの韓国では1997年に大改革を行い、小学3年生から英語教育を始めています。今ではアジアの中で韓国は英語優等生と言われています。日本では司法試験に英語はありませんが、韓国にはあります。このため、日本の弁護士は英語力で韓国の弁護士に太刀打ちできず、アジア市場における弁護士の仕事を韓国に奪われています。

私の娘の一家は、昨年、小学生と中学生の子供を連れて香港に転勤になり、現地の日本人学校に通っています。香港では、小学校1年生は週3時間、中学校1年生は週4時間のネイティブによる英語授業があり、とても充実しています。
日本も大改革を行わないと世界についていけないと思っています。

posted by kuraben at 10:19| 倉田弁護士

2014年03月10日

児童虐待 (倉田)

新聞によると、全国の警察が昨年、18歳未満の子供が虐待を受けているとして児童相談所に通告した人数は、前年よりも約5200人多い2万1603人だったということです。警察が親などを「摘発」したのは467件で、内訳は殺人、傷害などの身体的虐待が334件で最も多く、性的虐待が103件でした。

警察が摘発した虐待事件で被害を受けた子供は475人で、そのうち25人が死亡したそうです。加害者482人のうち、実父が180人、実母が101人で、実の親の割合が全体の58%を占めています。

このようなひどい現実を信じられますか? 私はとても信じられません。そもそも実の親が幼い子供を虐待するなどということは、あってはならないことです。動物にも劣る野蛮な行為というほかはありません。

なぜこのように虐待が多いのでしょうか。私は無抵抗の子供を虐待する大人の気持ちが分かりません。子供にも人権があり、人間としての尊厳があります。甘やかしてもいけませんが、しつけと称して虐待をしてはなりません。また、性的虐待などはもってのほかです。

近ごろは、隣り近所の住民同士がお互いに無関心になっていますが、虐待の疑いがあると思ったらすぐに警察や児童相談所に連絡して子供を助けましょう。

posted by kuraben at 14:28| 倉田弁護士

2014年03月04日

卒業式 (倉田)

今は卒業式のシーズンです。先日、私は、理事をしている某大学附属高校の卒業式に来賓として出席しました。卒業生は500人もいて、その保護者も来ているので、体育館は満杯になり熱気に包まれました。

ブラスバンドの行進曲に合わせて卒業生たちがクラスごとに入場してきました。500人もの卒業生が列になって入場するのでかなりの時間がかかりましたが、その間ずっと温かい拍手が続きました。

卒業証書の授与のときは、一人ずつ名前を呼んで起立するので30分位かかりました。卒業証書を受取りに壇上に上がる卒業生代表は、人物、学業ともに優れた生徒が選ばれるのですが、今年は女性だったのが印象的でした。また、皆勤賞を授与された卒業生が60人位いたのにも感心しました。

そのあと、校長と来賓の祝辞、在校生の送辞、卒業生の答辞、記念品贈呈などが続き、最後に卒業生は蛍の光の演奏に送られて退場しました。

式は1時間半もかかりましたが、私は全く退屈しませんでした。なぜかというと、会場は初めから終りまで卒業という感動に包まれ、卒業生も保護者も教員も、しばしば涙を拭いていたからです。

卒業式は人生の大切な節目です。卒業後はどんな人生が待っているのでしょう。幸多かれと祈るばかりでした。

posted by kuraben at 15:43| 倉田弁護士

2014年02月27日

1500万円の保険会社提示額が訴訟で7000万円に (倉田)

私が最近扱った交通事故で、保険会社が被害者に提示した損害賠償額が1500万円だったのが、訴訟提起したところ7000万円に増額されたというケースがありました。

このケースの被害者は小さな会社の社長をしていましたが、交通事故で右足の2関節が曲がらなくなり5級の後遺障害の認定を受けました。しかし、本人の懸命な努力により収入はほとんど減収になりませんでした。そこで、加害者の保険会社は、後遺障害による逸失利益はゼロと認定しました。保険会社は、事故後の収入が事故前の収入より減少したことが具体的に証明できなければ後遺障害逸失利益は認められないと主張したのです。

交通事故の被害者が後遺障害を残しながら復職して事故前と同様の収入を得ている場合において、逸失利益が認められるか否かについては学説に争いがありますが、現在の判例では、いわゆる「労働能力喪失説」が主流となっています。

「労働能力喪失説」の考え方を簡単に言いますと、現時点では給料ないし売上への影響が明確には現れていなくても、現時点の事実のみで将来を安易には予測できず、長期間の間には、雇用主あるいは取引先からの信頼を失い、それが昇進、昇給ないしは取引先の維持、拡張に影響を与える可能性は否定できないので、身体的に労働機能が喪失している以上、減収の有無に関わらず逸失利益を認めるべきである、というものです。

私は、「労働能力喪失説」の立場に立って保険会社に対し後遺障害逸失利益を認めるべきだと主張しましたが、保険会社は頑なに拒否し続けました。そこで、やむなく訴訟を提起し、約1年間、法廷で論争を展開しました。

その結果、裁判所は、減収はなくても逸失利益を認めるべきだとの見地から、保険会社が当初提示した1500万円の損害賠償額を7000万円まで増額すべきだという画期的な和解案を提示しました。保険会社は和解案の受入れに難色を示しましたが、判決になっても敗訴が濃厚と考えたのか、この和解案を受入れました。

このようにして、このケースは大成功に終わりました。少し硬い話になりましたが、一つの事例として紹介します。

posted by kuraben at 16:00| 倉田弁護士

2014年02月21日

真央ちゃん、お疲れさま (倉田)

真央ちゃんのショートプログラムの出来は全く予想外のもので、まさかの16位でした。これには日本中ががっかりしました。気持ちと体が一致しなかったとのことですから、やはりオリンピックにはプレッシャーという魔物がいるのでしょうか。

しかし、フリーではトリプルアクセルを含む6種類の3回転ジャンプを8回飛ぶなど完璧な演技をし、6位になりました。それにつけても、ショートプログラムの失敗が残念でなりません。

とはいえ、終わったことを悔やんでも仕方ありません。真央ちゃんは「バンクーバーから4年掛けてやってきたことが最後に出せた。支えてくれた方々に最高の演技ができて嬉しかった」と言い、演技直後に万感の涙をこぼしました。

真央ちゃんは「これが私の最後の五輪」と言っていますから、本当にこれが最後なのでしょう。ロシアでは、金メダルを取った17歳のソトニコワ、団体戦で1位となった15歳のリプニツカヤなどの若手が台頭してきました。もう真央ちゃんは今が引退の時期かもしれません。

これまで長い間楽しませてくれてありがとうと言いたいです。お疲れさまでした。

posted by kuraben at 15:36| 倉田弁護士

2014年02月13日

スポーツとプレッシャー (倉田)

冬季オリンピックで、15歳の平野が銀メダル、18歳の平岡が銅メダルを取りました。まだ中学生と高校生なのに、驚きました。

この2人のテレビのインタビューを見て、私は或ることに気付きました。それは、2人とも「全然緊張しなかった」という点で共通しているということです。大舞台では「緊張して足がブルブル震えた」という人がほとんどです。しかし、この2人は「平常心で全ての力を出し切れた」と言っています。ここが普通の人と違うと思いました。

実力のある人でも、本番ではプレッシャーに負けたという人は沢山います。今回のハーフパイプでも金メダル確実と言われていた、五輪2連覇中のスーパースターのショーン・ホワイト選手(米国)が、誰も予想しなかったような失敗をして4位となりました。また、女子のジャンプでも、メダル確実と言われていた17歳の高梨選手が、思いもかけない4位に終わりました。メダルを期待されたプレッシャーに負けたとしか思えません。とてもかわいそうです。

あとは、フィギュアスケートの浅田真央選手がどうなるかがとても心配です。浅田選手はトリプルアクセル(3回転半)を2回試みるとのことですが、果たしてうまくいくでしょうか。成功すれば金メダル確実ですが、大変なプレッシャーがあると思います。敵はプレッシャーのみです。

浅田選手はこのオリンピックを最後に引退するそうですが、何とか金メダルで終わってもらいたいものです。祈っています。
posted by kuraben at 17:04| 倉田弁護士