2014年05月07日

取調べの可視化 (倉田)

最近、取調べの可視化の是非について、しばしば論じられています。可視化というのは、要するに、警察や検察庁が被疑者を取調べるときに録音・録画をするということです。可視化の実現は日弁連が長い間主張してきたことですが、未だ実現の見通しは立っていません。

しかし、イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、オランダ、オーストラリア、台湾、香港、韓国などでは既に導入されており、今や世界の潮流となっています。欧米諸国のみならず、台湾、香港、韓国などアジアの国でも可視化が実現していることは驚きです。日本は世界の潮流から取り残されている状況です。

日本では、法務省の法制審議会で審議されてはいるのですが、警察庁、検察庁が、逮捕直後からの取調べを全て録音・録画すれば被疑者が真実を述べなくなり自白に追込めなくなるなどと主張し、強く反対しています。この主張の裏には、時には外部には見せられないような強引な取調べもしないと、被疑者を自白に追込むことはできない、という意味が隠されています。

しかし、これは自白中心主義に基づく古い時代の考え方です。現代に求められている捜査手法は、自白はなくても証拠で犯罪を立証する証拠中心主義です。日本の捜査官は、時代錯誤の古い考え方を改めなければなりません。

日本では、これまで数々の冤罪が繰り返されましたが、そのすべてが密室における強引な取調べと自白の強要が原因だったことを忘れてはなりません。冤罪を防ぎ被疑者の人権を護るためには、取調べの全過程を可視化することが絶対に必要と思います。

posted by kuraben at 10:33| 倉田弁護士