2011年11月28日

重度後遺障害の損害賠償 (倉田)

交通事故に遭遇し、幸い一命はとりとめたものの重い後遺障害が残ることが少なくありません。後遺障害にもいろいろありますが、今、私が取り扱っているのは四肢麻痺でベッドに寝たきりの被害者です。寝たきりの被害者にも、意識不明状態の人と、意識の有る人があります。意識不明で寝たきりとなると植物状態なので、自宅で介護することはできず病院に預けることになります。

話しかければ応答がある人については、病院に預けるのもかわいそうなので自宅に引き取って介護するケースが多くなります。私が扱っているケースは60歳の女性の被害者です。四肢麻痺で寝たきりですが、かろうじて会話はできるので、自宅に引き取って娘さんが介護をしています。

しかし、寝返りをうつことができないので、2〜3時間ごとに体位の変換をしなければなりません。そうしないと床ずれになり菌が入って命を失います。体位の変換は昼間だけでなく夜もしなくてはなりません。そうなると家族一人では睡眠も取れないので、職業介護人を雇うことになりますが1万円以上かかります。

もちろんオシメの交換は何回も必要です。寝たきりだと便秘するので浣腸をしますが、漏れて寝床を汚すこともあり大変です。

入浴は普通の風呂は使用できないので、家屋を改造して天井にリフトのレールを設置し風呂場に運びます。しかし、介助者ひとりでは入浴はできないので二人必要です。買い物、食事の世話、体位変換、オシメ交換、入浴、その他することが一杯あります。

それらを毎日娘さん一人で行うことは体が持たないので、昼間も職業介護人を雇わなくてはなりません。すると結局、昼も夜も人を雇わなければならないわけで、大変な金がかかります。もちろん、介護保険からヘルパーも派遣されるのですが、これは一日中いてくれるわけではなく、短時間の手伝いなのでヘルパーだけでは足りません。

この件は幸い加害者が自動車保険に入っていたので、費用は保険会社に請求できます。しかし、保険会社はいろいろ理由をつけて支払いを渋ります。その交渉をするのが弁護士の仕事ですが、なかなか難しい点があり、裁判になることもあります。

posted by kuraben at 11:14| 倉田弁護士