2011年10月30日

年金問題 (井上)

政府が、年金の支給開始年齢の引き上げ(65歳→68歳〜70歳に)の検討を始めたことで、しばらくお休みになっていた感のあった年金問題に関する記事を再び頻繁に新聞・週刊誌で目にするようになりました。

2年くらい前までは、小泉政権の「100年安心」の年金改革→安倍政権で大騒動になった社会保険庁の消えた年金問題→民主党の「ミスター年金」長妻議員の厚生労働大臣就任などなど、年金制度については国民の関心がとても高く、みのもんたさんの朝のテレビでも毎日のように年金問題を取り上げていたことが思い出されます。

年金については、民主党は「年金制度が破たん」すると危機感を煽って政権交代を成し遂げたがデマだったいう説(年金保険料の未納者が増えているので年金財政が破たんすると危機を煽ったが、保険料未納者は年金の受給資格もないので、年金財政は破綻しないのだということを根拠にしているようです。)が一方であります。

他方、現行の賦課方式(年金保険料納付世代が年金受給者世代を支える仕組み。これに対し積立方式というのがあり、勤労者時代に自分が積み立てたものを将来受け取るという仕組みです。)は、高齢化と若年人口の減少ゆえにもはや成り立たないのは火を見るより明らかだと唱える説もあります。

いずれも一見わかりやすくてなるほどと思うのですが、本当のところはどうなのか、私の新聞の読み方がいい加減なせいなのか、さっぱり分からないというのが正直なところです。

なんとなく分かるのは、(保険料の未納者が増えても)年金制度は破綻しないといってみても、その意味は、年金保険料を納めた人が将来年金がもらえなくなるという事態にはならないといっているに過ぎないところがあり、何らかの改革、つまり@年金保険料の増額、A年金支給額の引下げ、B年金支給開始年齢の引上げ、といった手を打たないと年金制度を持続していくのが難しいという意味で年金問題が深刻であることには変わりはない、ということです。

自分の不勉強を棚に上げていうのも何ですが、将来の人口予想は相当の確度で可能なはずですので(今年生まれた子供の数から20年後の20歳の人の人口がほぼ確定できるからです。)、いくらシュミレーションに幅があるといっても、もう少しはっきりとした将来の年金制度の姿が明らかになってもよさそうな気がします。

政府の発表や報道・解説の仕方によって、国民がもう少し分かりやすく考え議論できる環境が作れるように思うのです。

posted by kuraben at 18:40| 井上弁護士