2011年10月24日

TPPに参加すべきか (倉田)

今、日本ではTPPに参加すべきか否かが大問題になっています。TPPとは、環太平洋経済連携協定の英語の頭文字をとったもので、太平洋を囲む国々が、互いに工業製品や農産物を輸入する際にかける関税をなくしたり、国境を越えた人の移動や投資をしやすくしたりして、経済の結びつきを強めようとするものです。

TPPに参加すると、参加国は原則として、すべての輸入品の関税をゼロにしなくてはなりません。このシステムは、工業立国である日本にとっては、輸出が増えるのでメリットがあります。日本の国内市場は少子高齢化で、これからは伸びが見込めないため海外に市場を求める必要があり、企業の多くは参加することを期待しています。

日本の消費者にとってもメリットがあります。日本が関税をかけているために高くなっている食料品などが安くなります。

一方、日本では、輸出産業が円高で苦しんでいます。また、外国よりも法人税が高いため、工場を海外に移す企業が増えています。このような状態が続けば、産業の空洞化が進み、国内の雇用が一層減るものと推定されます。しかし、TPPに参加すれば、空洞化を押さえることができると思われます。日本に進出する海外の企業も増え、雇用が増進される可能性もあります。

しかし、TPPに参加すると困る産業もあります。農業関係者です。現在、日本では、米、麦、砂糖などの農産物が高い関税で守られています。米の関税は778%、小麦は252%です。もし、関税がゼロになれば農業関係者の生活は一気に破滅してしまいます。したがって、農業団体は大反対しています。この問題をどうするかが、大きな問題です。

政府は早急に農家をどう守るかについて行動計画を打ち出すと言っています。しかし、簡単な問題ではありません。TPPへの参加で農産物が値下がりしたときは、国が赤字分を補填するくらいの覚悟が必要でしょう。政府がどんな案を出すかに私は注目しています。

 しかし、このような難しい問題はあるにせよ、日本はTPPに参加すべきであると思います。これは世界の潮流であり、避けて通ることはできません。もし、農業を守るために参加しなかったとすれば、日本は「農家栄えて国亡ぶ」ということになりかねません。
posted by kuraben at 11:38| 倉田弁護士