2010年01月12日

成人式 (倉田)

昨日は、サンプラザで広島市主催の成人式が行われました。私も広島市選挙管理委員長という立場で来賓として出席しました。今年成人になる人は12,008人です。多くの若者が集まり盛大に成人式が行われました。

新聞によると佐世保市や福井市など他都市の成人式では、酒を飲んだ若者たちが壇上にあがるなどして式を妨害したとのことです。広島の場合は妨害こそありませんでしたが、市長や市議会議長が祝辞を述べるときに、ガヤガヤと私語が絶えず、多くの人は聞いていないように見えました。成人になるという厳粛な式典なのに情けない話です。

20歳になったら選挙権が与えられます。選挙権は成人の証しです。しかし、若者たちは、選挙権がいかに重要なものであるか、また、国民に平等に与えられるまでに先人たちがどれほど苦難の道をたどったかを全く知らないとしか思えません。選挙権は今でこそ国民が平等に持っていますが、日本では戦前は女子には選挙権がありませんでした。敗戦による憲法改正でようやく女子にも認められました。また、アメリカでもキング牧師らの涙ぐましい努力によって1964年に公民権法が制定されるまで、黒人は差別され、選挙権も自由権もありませんでした。

1963年に行われた「ワシントン大行進」のときに、キング牧師が行った演説は有名です。差別社会からの脱却を切望した演説です。その1節をここに引用します。

「私には夢がある。いつの日か、私の4人の小さな子供たちが、皮膚の色によってではなく、人となりそのものによって人間的評価がされる国に生きるときが来るであろう。
私には夢がある。いつの日か、谷間という谷間は高められ、あらゆる丘や山は低められ、でこぼこしたところは平らにされ、曲がりくねったところはまっすぐにされ、そして神の栄光が啓示されて、人皆ともにそれを見るときがくるであろう。
これが、われわれの切なる願いである。」(岩波新書「アメリカ黒人の歴史」より)

当時、黒人は差別され、虐待され、動物のように扱われていました。彼らが白人と対等の権利を獲得するまでの道のりは想像を絶する厳しいものでした。日本における選挙権の獲得も、戦争という大きな犠牲の上に獲得されました。しかし、今の若者たちはそれを忘れているのか、知らないのか、選挙権、自由権のありがたさがわかっていないように見えます。
成人となったのを機会にもっと勉強し、社会の一員としての自覚と責任感をしっかり持ってもらいたいと思います。

posted by kuraben at 10:59 | TrackBack(0) | 倉田弁護士
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