2009年11月24日

次世代スーパーコンピューターのこと (倉田)

今、行政刷新会議で、「事業仕分け」が行われています。そのこと自体は、予算編成の透明性を図るためによいことだとは思いますが、問題はその中身です。ひとつの事業の仕分けを1時間で行うことになっており、非常に大雑把な議論の中で、大事なことがばっさばっさと決定されています。

私が許せないと思ったことは、次世代スーパーコンピューター(スパコン)の事業があまりにも簡単に凍結されたことです。スパコンとは、パソコンよりも100万倍も速い世界最速の演算性能を持つコンピューターのことであり、科学技術研究のためには欠かせない高速計算機です。日本は、平成24年までに世界一のスパコンを完成させることを目指して平成18年から必死で開発中でした。

スパコンは、気候変動予測、航空機設計、宇宙進化の解明などをはじめ、多分野で使用され、実際の実験がむつかしい分野では欠かせないと言われています。その重要性から、世界中で激しい開発競争が展開されています。

現在、スパコン開発でトップを走るのはアメリカで、計算速度は1秒間に一兆回の100倍程度に達しているそうです。日本はこれを上回ることを目標にしています。そうなれば、例えば、航空機開発なら、開発期間が10の1になるとのことですから、その恩恵は大きいといえます。

事業仕分け作業では、仕分け人から「なぜ一番を目指すのですか。2番ではいけないのですか」「海外から買えばいいではないですか」などという間抜けな質問が出されていました。現在の日本の順位は31位で、韓国、中国にも遅れを取っています。1番を目指すくらいでないと2番にもなれません。また、海外から買うにも、最先端技術は秘密ですから売ってくれません。

科学技術で世界の先端を走らないと、資源のない日本は生きていけません。しかし、軽率な仕分け作業により、今、科学技術立国である日本の命が絶たれようとしているといっても過言ではありません。私はこのことに大変危機感を持っています。

以上のように思ってこのブログを書いていたところ、昨日の新聞で、菅副総理・国家戦略相が「仕分け作業で凍結とされた次世代スーパーコンピューター開発の凍結を見直す」と発言したことを知りました。新聞によれば、研究者などから批判が集中したのを受けてそのような発言になったとのことでした。これで私の危機感も少し和らぎました。
posted by kuraben at 13:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 倉田弁護士
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