2019年12月23日

最近、感激したこと

私は、先日の夜7時頃、広島駅近くのホテルからタクシーに乗って東区の自宅に帰りました。ところが、家に帰ってズボンのポケットから財布を取り出そうとしたところ、財布がありませんでした。
私は、いつもズボンの右側のポケットに入れているので、ポケットの中に無いはずはありません。私は、その日はホテルで会議があり手さげ袋を持っていたので、ひょっとしたらその袋の中に入れたのかも知れないと思い、調べてみましたがありませんでした。

私は「これは大変なことになった」と頭をかかえました。なぜそれほど困ったかと言えば、財布は二つ折りの黒い皮の財布で、その中には現金数万円のほかに、運転免許証、クレジットカード3枚、個人ナンバーカードなど、大事なカード類を全部入れていたからです。
これらのカード類は他人が不正使用すると困るので、すぐに使用差止めの手続をとったり、再発行してもらう必要があり、大変な手間がかかり大ごとです。

そこで、私はどうしたかというと、たまたま乗ったタクシーの領収書を持っていたので、タクシー会社に電話をして、私が乗ったタクシーの後部座席に財布が落ちていなかったかどうか調べてもらいました。
すると、すぐにそのタクシーの運転手から電話があり「今 調べましたが、財布はありませんでした」と言いました。
私は、ついでに「私が降りたあと、誰か他のお客さんを乗せましたか」と尋ねたところ、女性の客を一人乗せました」と言いました。それで、私は「その女性客が拾って持ち去ったかも知れませんね」と言うと、運転手さんは「普通、お客さんは後部座席で他人の忘れ物を見つけたらすぐ運転手に言ってくれますから、持ち去ったということはないと思いますよ。そうではなくて、あなたがタクシーを降りたときに路上に落したのかも知れませんから、すぐ、降りた所に探しに行かれた方がよいと思います」と言いました。

私は「降りるときに落とすはずは絶対にない」と思いましたが、一応探してみようと思い、懐中電灯を持って、タクシーを降りた所に行き、10分位かけてその付近と帰り道を隈なく探してみました。しかし、財布は見つかりませんでした。
私は絶望的な気持ちになり、「これから、免許証の再発行やカード差止めなどをしなければならない」と思うと気持ちが落ち込みました。

私は仕方なく探すのはあきらめて家に帰ることにしたのですが、そのとき、「こういう場合は、一応、交番に届けておいた方がよいかも知れない」と思いつき、10分くらい離れた所にある交番にトボトボと歩いて行きました。
そして、午後7時40分頃、交番に行ってドアを開けたところ、2人の若い警察官がいたので「財布を落としたので届けに来ました」と言いました。すると、「何色の財布ですか?」「どんな形の財布ですか?」「中にどんな物が入っていましたか?」「何時頃どの辺りに落としましたか?」「あなたの名前を言って下さい」とメモも取らずに次々と質問したあと、「その財布ならここに届けられています」と言って、ニコニコしながら机の引出しから私の財布を出して見せてくれました。それは、まさに私の財布でした。

私は、交番に財布が届けられているということは全く期待も予想もしていなかったので、びっくりし、すぐには信じられませんでした。こんなに早く私の財布が見つかるはずはないと思っていたのです。免許証には私の顔写真がついているので、私の所有物であることは明白なため、警察官は簡単な手続のあと、すぐに財布を渡してくれました。

私は「財布を届けてくれた人に御礼をしたいので、名前を教えて下さい」と言いましたが、警察官は「届けたのは小学生か中学生くらいの男子と女子の2人連れですが、お礼はいらないと言ったので、名前は教えられません」と言いました。お礼を言うことができなかったのは、私としてはとても残念でしたが、それにしても、何という素晴らしい子供たちでしょうか。私はその立派な行いに感謝するとともに感激して胸がいっぱいになりました。
外国では落し物が戻ってくることは考えられないと聞いています。日本人は何と素晴らしい国民でしょうか。

posted by kuraben at 10:24| 倉田弁護士