2017年02月06日

働き方改革の必要性 (倉田)

労働基準法では、労働時間について、一日8時間、週40時間を超えてはならないと定められています。ところが、労働者と使用者が合意して協定を結べば、これを上回ることができるという例外規定があり(36条)、どこの職場でもこの協定を結んでいるので、労働時間(残業時間)は事実上、青天井となっています。

このため、月に100時間を上回る残業をさせている職場は無数にあり、過酷な労働が原因で過労死する事件が頻繁に起こっています。裁判になった事例も数えきれないほどあります。このため、労働界からは労働基準法36条を見直して残業時間の上限を規制すべきだという声が強く出ていましたが、政府も国会もこれまで真剣に取り上げたことはありませんでした。

ところが一昨年、電通の新入女子社員(24歳)が過労自殺したことを契機に、電通のあまりにも長時間にわたる過酷な労働実態が明るみに出て、大きな社会問題となりました。このため、政府はようやく「働き方改革実現会議」を設置し議論を始めました。

最近の新聞によれば、政府は残業時間に上限を設け、違反すれば罰則を科す方向で検討しているとのことです。

それは一歩前進だとは思いますが、問題となるのは残業の上限を何時間にするかです。新聞によれば、月平均の残業時間は60時間にするが、繁忙期は月100時間まで認める方向で調整しているとのことです。

しかし、一般に過労死ラインは月80時間とされているので、繁忙期に限るとはいえ月100時間の残業を容認したのでは問題解決にならないと思います。

今後の議論を見守りたいと思います。

posted by kuraben at 10:48| 倉田弁護士